2021.11.02
第40回 芯に残る”生命感”。ツバキの一片
東京チェンソーズでは、スギやヒノキといった針葉樹を扱うことが多いですが、そのときの現場に応じてさまざまな広葉樹が集まってくることも。
工房長・関谷に聞きました。
―いろいろありますが何の木ですか?
(写真上から)ヤマザクラ、コナラ、ケヤキです。あと切ってあるのは(写真右から)ツバキとヤマザクラ。ここにはありませんが、ホオ、カエデ、リョウブなんかがあることも。
―何かに使う予定ですか?
とくにはないですが、とりあえず縦に切ってみようかなと… 笑
―縦に切る?
横に切る輪切りはこれまでもよくしてきたんですが、縦に切るんです。そこには別の世界が広がっていて、それが面白くて…最近の自分のブームです!
―どのへんがとくにいいですか?
このツバキでいうと、中央の芯の木目が好き。芯を見るとどこら辺で枝が伸びたとか、幹が曲がったとか、生きてきた流れがわかるから見飽きないですよ。
―たしかに。“生命の木”みたいですね。
生きもの感というか、エネルギーが芯には残っているように思います。
―ところで、ツバキの材は珍しいんじゃないですか?
八王子の現場から、林業事業部の飯塚さんが持ってきてくれました。檜原の山にもよくある木ですが、あえて切り出してくることはあまりなかったようです。
―ツバキは使ったことあるんですか?
ないです。初めてなので、とりあえず切ってみたんです。少しして乾いたら、表面が隆起してでこぼこと波打ってきました!
―ツバキはどれもこういう感じなんですか?
そうでもないみたいです。広葉樹に詳しい人にこれを見せて聞きましたが、その人もこういうのは初めて見たと話してました。
■素材データ(ツバキ)
サイズ:高さ:200mm、幅:60mm〜100mm、幅:20mm
樹種:ツバキ
伐採時期:2020年10月
重量:200g
(取材後記)
関谷君のところには現場から色々な材が集まります。ヤマザクラではスマホケースを試作したそうです。新製品が生まれるきっかけになるかもです(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。