2022.01.18

第48回 ”ちょうどいい”スギ 天板

ダイニングテーブルにジャストサイズのスギ天板。檜原森のおもちゃ美術館の展示台と同じ木なんだそうです。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。


―これは何の木ですか?

スギですね。檜原の人里(へんぼり)地区にあった160年生のスギです。
私の同期であり、その後独立して林業会社(株式会社山武師)を始めた森谷隼斗が伐った木なんですよ。

―いつですか?

おととしの秋。

―森谷くんが伐ったのは、どういう経緯で?

おもちゃ美術館の展示台を製作するための木を探していたころなんです。けっこう大きい木が必要だということで、あちこち探していたんですが、人里の山にふさわしい木があるのを見つけまして…

―はい。

偶然なんですが、そこは展示台の製作を依頼していた宮大工さんの持ち山でして…

で、伐採をどうするということになったとき、大きい木も任せられる人ということで、森谷くんが選ばれたんですね。

―そんなに大きかったんですか?

はい、直径1100mmありました。

その後は予定どおり、その宮大工さんが製作。この天板はその片割れです。
森谷くんも「嬉しいっすね」って 笑

―まさにテーブルですね。

そう、ダイニングテーブルにちょうどいいですね。4人で使えます。

―元の部分なんですか?

そうですよ。根張りで少し幅が広がってますね。

―この穴は?

ムシが入ってたんですね。テッポウムシ。カミキリの幼虫です。
穴が空いてますし、芯に近いので割れも少しあって、節もあります…
でも、こういうことも含めて、自然の風合いと感じていただければと思います。

―耳付きですね。

そこもポイント 笑

■素材データ
サイズ:長さ:2100mm、幅:700mm〜830mm、厚み:55mm
樹種:スギ
状態:樹皮剥き、乾燥
伐採時期:2020年11月
重量:30kg

(取材後記)
2010年、東京チェンソーズが初めて新人を採用した3人のうちの2人。森谷くんと吉田。
近隣で仕事をしているのでたまには顔を合わせてるようですが、こういう“出会い”もいいですね。ちなみにもう1人は故郷の広島で頑張ってます。
展示台は、檜原森のおもちゃ美術館2階「グッドトイ」のコーナーにあります(木田)。

この日記を書いた人

木田 正人

木田 正人

1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。

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