2022.05.17
第64回 暴れん坊だけど…
日本の雑木林を代表する樹木・コナラ。よく見かける木なのですが、材木としては、曲がり(反り)が大きく、使いにくいとされています…
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
コナラですよ。
―すごい曲がりですね。
そうなんです。見ての通り。
―どこで伐ったんですか?
社有林の作業道の最初のヘアピンのところです。
―初めの直線が終わって、グッと下がって左に曲がるところですね。
そうです。3、4年前かな、そこに生えてたコナラを支障木として伐ったんですよ。その木です。
―いつ製材したんですか?
伐ってすぐですね。
―製材したときは、どんな様子でしたか?
板のこういう曲がり方を“反る”というんですが、製材機から出るなり弓状に反るのもありました…
この当時は広葉樹、全然使ってなかったし、コナラ、反るのを知ってましたけど、せっかく伐った木なので製材してみたら面白いかなと…
―何かに使ったんですか?
製品には使ってないですね。
―反りはどうにもできないんですか?
削って平らにできます。
―削る?
反りの程度によりますが、鉋で平面にするんです。
これ、1mに短く切って、削って平らにした板です。短くすると、平面にしやすいですね。
―すごい綺麗です。いかにも木の板って感じ 笑
ナラ、独特の木目ですね。あと、匂いも特徴的です。ちょっとサクラっぽい、少し甘い香りがするんですよね。
それと、けっこう重いですよ。
(持ってみる)
―たしかに、重い。
2kg〜3kgくらいですね。2mの方は5kgくらい。だいぶ乾燥してるので、これ以上軽くなることはないですね。
―材木としてはやはり使いにくいんですか?
反りが大きいので、造作とか家具にはあまり使われてこなかったんじゃないかな。
―可能性は?
小さいパーツで使うんならできるんじゃないかと思います。
30cmくらいにしちゃえば、反りの高低差が少なくなるから、普通に製材できるはず。
―工夫次第なんですね…
そうなんです…
外材でオークってあるじゃないですか。あれはブナとかミズナラとかだと思うんですよね、標高が高いところの木なんですけど、このあたりじゃ、ナラといえばコナラ…
社有林も2割が広葉樹で、その半分はコナラなんですよ。うまく活かして、届けたいですね。
―どんなものができそうでしょう?
棚や、小さなスツールとか…。積み木なんかもできると思いますよ。
■素材データ
サイズ:幅:2000mm、奥行き:145mm、厚み:30mm
状態:乾燥
樹種:コナラ
伐採時期:2018年1月
重量:5kg前後
(取材後記)
コナラは公園にもたくさん生えています。そして、その樹液を好むのが子どもに人気のカブトムシ、クワガタです。スマホ(or図鑑)を持って、いまから目ぼしい木を探しておくのもいいんじゃないでしょうか(木田)。
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。