まるごとニュースレター

2021/03/23

第10回 耳付き板に野生を感じる!

両サイドが斜めになったり、丸みを帯びてる板を見たことありますか? 写真の赤でマークした部分で、それを “耳”といいます。パンの耳と同じようなものかもしれません。耳付き板の魅力をマテリアル販売事業部・吉田に聞きました。

——これはどんなもの?

社有林のスギを水圧で樹皮を剥いたあと、製材所で耳付きで挽いたものです。
水圧で剥くと木肌がつるつるになるんです。だから、そのまま使えちゃいます。

——耳付きとは製材のときに切らなかった端の部分ですよね?

そうですね。このまま挽いてくださいと、あえて残した部分です。

——あまりないものですか?

1枚で天板になるような大きいものは耳付きで挽くこともありますが、細いものはあまりないんじゃないかな。長さとしても、4mは初めてです。

こことか、色が濃いところもありますけど、綺麗ですよ。

——どんな使い方がありますか?

うーん、少し幅が狭いので、これ1枚でカウンター材になるかは難しいかも分からないですけど、何か置く台とか…ベンチにも良さそう。

あとは“幅はぎ”と言うんですが、2枚を横にくっつけて使うこともできますよ。丸太の中心部分の赤身と、外側の白太をうまく組み合わせれば、両端は耳付きのまま、幅広い一枚板の様にも使えます。

——伐採はいつですか?

これは最近で、まだ2ヶ月くらいです。跡地は今度の春に植え付けします。

——乾燥してるんですか?

あるところで庭園の木道に使うということで、人工乾燥機に入れて乾燥した材の残りです。ですので、すぐ使えますよ。含水率は20%まで落ちてます。

——耳付きで木道?

そう、どうなるか楽しみです。これまでは、防腐剤を塗った既製品を買って使っていたそうですが、無垢の木で作って見てはどうかと提案しました。

——在庫は?

10枚あります。限定10枚、40m!

——ちなみに、こっちの丸くなってるのは?

それはバタといって、丸太の一番端だったところ。普通は薪に使うくらいですが、ある製材所さんで壁板として、壁に貼って使ってます。ちょっとログハウスみたいに見えていいですよ。

■素材データ
サイズ:幅:4200mm、長さ:300mm〜400mm、厚み:60mm
状態:樹皮剥き、耳付き
材種:スギ
伐採時期:2020年12月
重量:15kg

【取材後記】
耳のかたちは板によりけり。1枚たりとも同じものがないあたり、規格化されていないワイルドな魅力。野生感があるので、室内で使うとよりかっこいいように思います(木田)。