2022.02.22
第53回 ”焦しキャラメル風”ヒノキ丸太
遠目にも「何これ?」の丸太。いい感じに色変わりしてます。
マテリアル販売事業部・吉田に聞きました。
―これは何の木ですか?
ヒノキですね。
昨年の秋に仕事をしていた八王子の現場から来たものですよ。
―なぜ、一部だけ色が変わってるんですか?
傷が付いて、それが原因で部分的に枯れたんじゃないでしょうか。
―部分的に枯れた?
石がぶつかったとか、動物に樹皮を剥がされたとかで傷がついたんですね。
それでそこだけ、水や養分の通り道が機能しなくなって…
―枯れて、こういう色になったということですね?
そうなんですよ。
―傷の原因は何だったんでしょうね?
イノシシかもしれないですね。あの現場、イノシシが多かったようですから、牙で傷ついたのかも…
―ところで、何年生ですか?
90年超えてます。
―90年!
しかも年輪の幅が狭いです。
ということは…
実生なんじゃないかと思います。人が植えたのではなく、自然に落ちたタネから発芽した木です…
光の奪い合いの競争で周りの広葉樹に負けて、あまり成長できなかったのかもしれませんね。
―いわゆる、目が詰まってるという木ですね。
そうです。表面のでこぼこもいいですよね。
(材木置き場の大家さん登場)もうけっこう乾いてるの?
―いや、まだですね。
節がないからいいね。
―そうなんですよ、綺麗ですね。どんな使い方ありそうですか?
床柱みたいに魅せる使い方がいいね。昔から銘木っていって、稀な木を使ったもんだ…
■素材データ
サイズ:高さ:1500mm、直径:350mm
状態:一部樹皮残り、未乾燥
樹種:ヒノキ
伐採時期:2021年11月
重量:60kg
(取材後記)
丸太ではありますが、ふつうの市場ではまず流通してない丸太です。ここでしか見れない“稀な木”です(木田)
この日記を書いた人
木田 正人
木田 正人
1966年生まれ。青森県弘前市出身。日本大学農獣医学部卒。雑誌記者など出版界勤務後、「人のため、地球のための仕事」をしたいと思い、林業を志す。東京チェンソーズ設立当初から森林整備と広報を担当。